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    百瀬さんのこと

  • 2014-04-09
  • 百瀬さんの写真展中。

    momose49

    百瀬さんの作品は、音や匂いを感じさせます。
    今回の作品はモロッコのフェズという古都で1990年に撮影されたものを、
    新たに焼いた写真です。

    この時、百瀬さんは奥様の鳥取絹子さんと、
    詩人の谷川俊太郎さん、佐野洋子さんと一緒に旅をしていました。
    このフェズに入った時、それまで撮っていたカラーフィルムをモノクロフィルムに替えて、
    百瀬さんはこの古い町の光景を撮り始めました。




    百瀬さんたちとモロッコを旅したのが、
    もう四半世紀近く前になるなんて信じられません。
    レンタカーのルノーカトルでサハラ砂漠の入り口まで行きました。
    夜明けのホテルで、夢うつつに街の塔から流れる
    コーランを聞いたのが何故か忘れられません。

    白から黒へ
    黒から白への無限の濃淡に
    声がかくれている

    祈る声
    むずかる声
    なじる声
    囁く声

    声は物音に紛れ
    風音に消され
    足音に寄り添いながら
    ひそやかな歌になっていく

    そして砂漠に吸われる
    聖歌も無言歌も
    あのひとの思い出も

    モロッコを旅した仲間の一人は、もうこの世にいません。
    私の手元にはマラケシュで買った
    アンティークのペンとインク壺が残っています。
    いつかそれで詩を書いてみたいと思っているのですが。

    谷川俊太郎


    これは今回のポートフォリオ(写真10点組の作品集)に寄せて谷川俊太郎さんが
    書いて下さったテキストです。
    谷川さんは、昨日火曜日のお昼頃、ふらりと画廊に来てじっと作品を見て下さいました。



    先日、偶然画廊に入って来た女性が(もちろん百瀬さんの写真を見るのは初めてで)、

    「テーマは祈りなのですか?」

    とおっしゃったのですが、なるほどそうなのかもしれません。

    百瀬さんの撮る写真の根底には、どこか祈りのようなものがあります。
    普段から全く深刻ぶったところのない、ダジャレ連発王の百瀬さんですが、
    カメラのレンズを通してものや人を見る時の百瀬さんは、まったく違う空気をまといます。
    マザーテレサを撮り、刺青を撮り、人も物も肖像のように撮って来た百瀬さん。
    きっと祈ることにある無心をとらえているのではないでしょうか。


    デジタルカメラで撮れば、写った写真をその場で見て確認して撮り直すこともできますが、
    フィルムの時代は、撮る側も撮られる側も緊張感を持って対峙していたそうです。
    今回のモノクロ写真を毎日眺めて来て、
    現像所の専門家にもできない、ましてデジタルプリントにはできっこない、
    光で絵を描くような写真家、百瀬恒彦のここまでのすべてが現れていると私は感じています。

    会場は、東京メトロ外苑前駅から徒歩3分。
    隠れ家のような素敵なギャラリーです。
    会期は今週土曜日まで。
    ぜひぜひ足を運んで作品を実際に見て感じていただきたいと思います。
    私は土曜日に会場にいますので、ついでに私にも会いに来てくださいね。
    だって、この仕事は私の独立15周年記念ですから!
    お会いできるのを楽しみにしています。

    momose492


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