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    病院のアート

  • 2014-07-23
  • 先日、久しぶりに病院にアート作品を納めました。

    これまでの私の「アートを医療現場につなげる」仕事は、
    装飾としてアート作品を病院や老人健康施設におさめる、
    医療福祉の場の環境づくりでした。
    入院患者さんはもちろん、
    一日の大半の時間を病院内で過ごす人にとってそこは生活の場。
    よりリラックスできる心地よい環境を整えることはとても大切です。
    入院患者さんやその家族だけではなく、ケアする人のケアとして、
    看護師さんなど現場で働く人に気を配ることを心がけて来ました。
    16,7世紀のイギリスではキリスト教精神にのっとって、
    「病人を天国へ送る」ための建築や装飾が盛んだったのだそうです。
    それで作品の委託や購入の伝統が生まれ、1970年から80年代、
    主に作品によって院内環境を改善するという取り組みへとつながったとのこと。

    アラカワアートオフィスの軸のひとつだったアートと医療ですが、
    私は勉強のために「アートミーツケア学会」というものに所属して、
    いろいろ情報を得ました。
    医療とアートを繋げるために、様々な人が日々奮闘していました。
    その中にはお医者も、病院職員の方たちもいらっしゃいましたし、
    入院病棟でのワークショップや音楽演奏など、
    様々な活動が試みられていることを知りました。

    私も自分なりに工夫をして、
    病院に作品を納める時には作品を展示するだけにならないように、
    作品に関する情報をわかりやすく解説したテキストを作ったり、
    作品と見る人が語り合えるように、
    問いかけになるキャプションを作って作品の横に添えたりしました。
    なるべく興味を持っていただけるような小さな仕掛けを作るようにしました。
    ささやかながら。

    この数年はそういった仕事から遠ざかっていましたが、
    そのアートミーツケア学会から本が出ました。

    artthospital
    アートミーツケア叢書1 『病院のアート 医療現場の再生と未来』


    「病院のアート」は、いろいろな立場の人たちがそれぞれの角度から関わっています。
    アーティストであったり、美術大学の学生達であったり、ボランティアの方だったり。
    本当にアートが医療現場に必要なのか? アートにいったい何ができるのか?
    という問いかけは常に繰り返されていると思います。
    この本は、ノウハウや方向性を指し示すような意図はなく、
    活動の事実をまとめて提示しています。
    実際に活動している人がアートとケアをどう解釈しているのか、どんな思いで活動しているのか。
    私には、再び、アートとケアについて考えるきっかけにもなりそうです。

    私が興味を持って来たのは、
    効果がはっきりと数値化できないことばかりかもしれません。
    量産されているカップと陶芸家が作ったカップ。
    その違いは、確実にあるのです。
    なんとなく落ち着かない空間となんとなくリラックスして心地よい空間、
    もありますよね。
    それは何故なのか?
    アートを通して考えて来たことは、本質的なところへと繋がっています。

    久しぶりに病院のお仕事をさせていただいて、
    これから自分がやりたいこと、できそうなことをぼんやりと考えています。



    病院のアート―医療現場の再生と未来 (アートミーツケア叢書)病院のアート―医療現場の再生と未来 (アートミーツケア叢書)
    (2014/07)
    森口 ゆたか、 他

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